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ラクトフェリンによるバイオフィルムの抑制と除去

ラクトフェリンはバイオフィルムの形成を抑制・除去します


森永乳業は、新潟大学大学院医歯学総合研究科との共同研究により、乳由来のたんぱく質【ラクトフェリン】が、歯周病の原因となるデンタルプラーク(歯垢)の本体である「バイオフィルム」の形成を抑制、除去する作用があることを確認しました。

ラクトフェリン( lactoferrin)とは


【ラクトフェリン】は、人などの哺乳類の乳汁や唾液などに含まれる、鉄結合性の乳タンパク質です。

抗菌活性や免疫調節作用など、さまざまな生理機能を示すことが知られています。

【ラクトフェリン】は、母乳に含まれています。
特に初乳には多く含まれており、抵抗力の弱い赤ちゃんを病原菌やウイルスなどの感染から守る重要な成分として考えられています。

また、唾液中には『ラクトフェリン』が0.01 mg/ml程度含まれており、口腔衛生環境の保持に主要な役割を、果たしていると考えられています。

バイオフィルムに対するラクトフェリンの効果確認実験

実験方法


2種類の歯周病菌を実験の対象としました。

対象菌

  • ポルフィロモナス・ジンジバリス
  • プレボテラ・インターメディア
歯周病の原因菌について

対象菌を嫌気性下で24時間培養して、作られた「バイオフィルム」の量を比較します。
クリス タルバイオレット染色法を用いました。

  1. バイオフィルム形成に対する抑制効果の実験
    ⇒歯周病菌「バイオフィルム」形成時に【ラクトフェリン】(0.008 mg/ml~)を添加して、24時間培養した
  2. バイオフィルムの除去効果の実験
    ⇒既に形成された歯周病菌の「バイオフィルム」に対して、【ラクトフェリン】(0.008 mg/ml~)を添加して、5時間培養した
  3. バイオフィルムと抗生物質を併用した時の効果
    ⇒既に形成された歯周病菌の「バイオフィルム」に対して、【ラクトフェリン】(0.5 mg/ml)と各種抗生物質を添加し、24時間培養した

実験の結果 

バイオフィルム形成に対する抑制効果の実験

0.008 mg/mlと低濃度の『ラクトフェリン』であっても、鉄の結合量に関わらず、歯周病菌「バイオフ ィルム」の形成を、抑制する作用が見られました。
また、【ラクトフェリン】の濃度を高くすると、さらに効果が高まりました。

バイオフィルムの除去効果の実験

【ラクトフェリン】は、0.008 mg/mlの低濃度でも、歯周病菌「バイオフィルム」の量を減少させました。

バイオフィルムと抗生物質を併用した時の効果

【ラクトフェリン】(0.5 mg/ml)を、抗生物質シプロフロキサシン(ciprofloxacin)(0.001mg/ml)または ミノサイクリン(minocycline)(0.01mg/ml)と併用することで、「バイオフィルム」除去効果が増強されました。

実験による結論

鉄結合性の乳タンパク質である【ラクトフェリン】は、試験管内で0.008 mg/mlという低濃度でも
、鉄結合量に関わらず、歯周病菌の「バイオフィルム」の形成を抑制し除去する作用があること、また、抗生物質の活性を増強することが明らかになりました。

また、より高濃度で、「バイオフィルム」が作られることを防ぐことから、【ラクトフェリン】を、外部から口腔内に供給することにも、意義があると考えられます。