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揮発性硫黄化合物(きはつせい・いおう・かごうぶつ)

揮発性硫黄化合物は3つあります

 

揮発性硫黄化合物=(Volatile Sulpher Compounds :VSCと略)
文字からもわかるように、硫黄ガスの総称で、悪臭物質としてだけでなく、強力な生体毒性があり、その毒性は青酸ガスより強力です。

揮発性硫黄化合物は、全部で3種類あります。
  1. 硫化水素
  2. メチルメルカプタン
  3. ジメチルサルファイド

硫化水素(りゅうかすいそ)


【硫黄のにおい】、【腐った卵のにおい】を発生します。
舌に付いた汚れが苔のようになる、舌苔(ぜったい)によって、発生します。


メチルメルカプタン

 

歯周病にかかると、大量のメチルメルカプタンが作られます

 

メチルメルカプタンは,、臭気物質の中でも、特に、超微量で嗅覚を刺激します。
【腐敗した玉子や野菜のような臭い】 を強烈に発します。

臭気物質が嗅覚を刺激する最低濃度、つまり、(閾濃度=いきのうど)が、格段に低いのです。
口臭の臭気物質と閾濃度(いきのうど)

口腔内のメチルメルカプタンは粘膜透過性を促進させ、プロスタグランジンEなどの起炎物質や菌体外毒素を、粘膜下組織へ浸透させます。

妊婦が歯周病にかかっていると、早産を引き起こしたりします。
プロスタグランジンと早産

また、メチルメルカプタンは歯肉繊維芽細胞のDNAやタンパク合成阻害を起こし、コラーゲン合成能の低下や、コラーゲンの分解を引き起こし、歯周組織の状態の悪化を招きます。

すなわち、歯周病の副産物として産生される口臭原因物質が、歯周組織の破壊をアシストするという悪循環に関連していることがわかってきました。


ジメチルサルファイド


歯周病がある場合に、メチルメルカプタンと同様に発生する、揮発性硫黄化合です。
【生ごみのような臭い】を発生します。

歯周病は口臭の原因の第一位です

口臭の原因を大別すると・・・


口臭の原因には、口腔由来と全身由来があります。
  • 口腔由来= 口、鼻、喉(のど) など、口腔局所から発生する口臭
  • 全身由来=肝臓疾患・糖尿病・尿毒症等の身体の各所からの病気が原因の口臭

口臭の原因に占める割合

  • 口腔由来の口臭=80%
  • 全身由来の口臭=20%

口腔由来の口臭の原因の内訳

  • 舌苔(ぜったい:舌に出来たコケ)由来の生理的口臭= 35%
  • 歯周病由来の病的口臭= 65%
口臭を無くすなら、舌苔をきれいに取り除き、歯周病を治すことが最善の方法です。

口腔由来の口臭の原因ガス

  • 舌苔=硫化水素
  • 歯周病=硫化水素+メチルメル化プタン
慢性歯周炎では歯周ポケットから排出される細菌群が、唾液を介して、舌背後部に蓄積、舌苔を形成し、舌苔から硫化水素を発生させるそうです。

硫化水素もメチルメルカプタンも、【揮発性硫黄化合物】の一種です。

全身由来の病的口臭の場合、その病気を治療するのはもちろんですが、
口から出る揮発性硫黄化合物を取り除くことで、口臭強度は激減します。

揮発性硫黄化合物

歯周病と骨粗鬆症

歯周病と骨粗鬆症は似ているのです



骨粗鬆症の概略


骨粗鬆症は骨の構造がもろくなって、骨折しやすくなる病気です。

骨の量は、20 歳代から 30 歳代にかけて最大骨量(Peak Bone Mass)に達し、その後、年齢とともに徐々に減少します。
特に、女性の場合、女性ホルモンである「エストロゲン」が急激に減少する閉経期以降から、骨量は急激に減少します。
ですので、 骨粗鬆症は、約90%が女性が発症します。
骨粗鬆症に罹ると、容易に骨折を起こすようになります。 

骨粗鬆症と歯周病の深~い関係


骨粗鬆症と歯周病には、どんな関連があるのでしょうか?

一見無関係のように思われがちですが、多くの研究で、骨粗鬆症と歯周病とは関連性があると報告されています。

骨粗鬆症とは、もちろん、骨の病気です。

歯周病の始まりは、歯周病菌が引き起こす歯肉の炎症なのですが、細菌が歯ぐきの深部に侵入すると、それが引き金となって身体の免疫・防御機能が過剰に反応し、結果として骨が溶けて歯が抜けて行きます。

つまり、歯周病も、歯を支える骨が破壊されることから、骨粗鬆症と同様に「骨の病気」と言えるのです。


最近の研究では、骨粗鬆症も歯周病も、骨を溶かすメカニズムが極めて類似しているということが解明されました。

こ の事は、骨粗鬆症の方は歯周病にもかかり易く、尚かつ重症化し易い、すなわち歯が抜け易いということを意味します。

更に困ったことに、骨粗鬆症の治療薬の1種であるビスフォスフォネート剤は、骨を強くする薬ですが、歯科治療における抜歯や外科処置後の治りを非常に悪くする副作用があります。 

顎骨(がっこつ)壊死(えし)を発症する危険性が指摘されていて、歯科治療の内容によっては顎骨壊死やその他の危険性が増大する可能性が考えられます。

歯周病でぐらぐらしているから自分で抜く、などということは絶対に行わないようにしてください。

歯周病とエストロゲン



歯周病が進行しやすい原因として最も重要と考えられているのが、エストロゲンの欠乏です。
エストロゲンの分泌量が低下すると、全身の骨密度に大きく影響することが知られていますが、同じように歯を支える歯槽骨に対しても危険因子となっていることが、わかってきました。

また、歯周ポケット内では、炎症を引き起こす物質が作られ、歯周炎の進行が加速されると考えられています。

したがって、閉経後の女性は、たとえ歯周炎がなくても、エストロゲンの減少により、歯周病にかかりやすく、広がりやすい状態にあると言えます。
 

歯周病とデンタルプラーク

粘着する細菌の塊デンタルプラーク

歯周病は、歯面や歯肉縁下に付着・定着した細菌塊デンタルプラークの特異的および非特異的刺激により歯周組織に生じる慢性炎症性疾患である。

したがって、歯周病の病因論や予防・治療において、デンタルプラークはキーワードの一つとして主要な地位を占めている。

デンタルプラークは、17 世紀の van Leeuwenhoek によって手製の顕微鏡下で人類が初めて観察した細菌塊であるが、1990年代の後半になって細菌バイオフィルムとして認識されるようになった。

細菌バイオフィルムは、固相、液相、気相の界面に形成される微生物の集簇的増殖様式の一つで、広く自然界に分布している。

バイオフィルム中の細菌は、自己の産生した細胞外マトリックスで覆われた複雑で剥がれ難いコロニーを形成し、免疫系や化学療法剤に対して抵抗性を示すことにより、結果として感染の慢性化、難治化を招くと考えられている。

バイオフィルム中の細菌は、同一の菌であっても、Koch 以来の細菌学の主な対象であった浮遊系細菌とは少し異なった性状を示す。

この理由の一つとして、バイオフィルム細菌と浮遊系細菌との間で、発現している遺伝子のいくつかが異なっていることを示す研究報告が、最近、発表されるようになってきた。

例えば、口腔細菌の多くと同じく、Pseudomonas aeruginosa のような日和見感染の原因菌は持続性の感染を起こすことがあるが、バイオフィルムを形成している同菌と浮遊系の菌とを DNAmicroarray を用いて比較した結果、約 1% の遺伝子の発現が異なっており、そのうちの半数の遺伝子はその発現が誘導され、残りの半数は抑制されたという。

発現が変化した遺伝子のいくつかは浮遊系の薬剤感受性に影響する遺伝子であることが知られている。

初期のプラーク(バイオフィルム)は通性嫌気性菌が優勢であるが、徐々にバイオフィルム内の酸素分圧が低下してくると、偏性嫌気性菌が多数棲息するようになることはよく知られている。

同一の菌においても、好気条件から嫌気条件へと環境が変化していく中で、それぞれの環境に対応すべく遺伝子の発現プログラムを変更している可能性が考えられる。

化学療法剤などがあまり有効でないとされているバイオフィルム細菌に対して、バイオフィルム形成の Key になる遺伝子の発現を抑制できるような薬剤が開発されれば、現在臨床において主流であるバイオフィルムに対する機械的除去療法に加えて、新たな化学的コントロール法の出現につながるものと期待される。

歯周病とタバコ(煙草)

歯周病と生活習慣病

歯周病は、歯垢中の細菌によって引き起こされる、感染症の一種と考えられています。
でも、予防・治療には感染症対策のみではあまり効果があがりません。

歯周病の予防・治療に関して、もう一つ重要なのが、生活習慣病への対策です。

近年、歯周病の発症・進行には、生活習慣に関わる要因が密接に関連することが明らかにされています。

歯周病と喫煙

歯周病のもっとも大きなリスクファクター(危険因子)として科学的に証明されたのが、喫煙です

たばこ(煙草)が歯周病の悪化に大きく影響することは、世界各国の疫学研究で、証明されています。
タバコは、年齢、歯周病原性菌、他の生活習慣などの要因と、同等またはそれ以上のリスクがあるのです。

喫煙者は、歯周病(歯槽膿漏)に
  • なりやすい
  • 悪化しやすい
  • 治おりにくい

歯周病と喫煙量

歯周病に罹る(かかる)危険は、1日10本以上煙草を吸うと、非喫煙者の5.4倍になります。
ヘビースモーカーの人ほど、歯槽骨吸収のリスクが高まります。 
歯槽骨吸収について

歯周病と喫煙期間

歯周病に罹る(かかる)危険は、タバコを10年以上吸っていると4.3倍に上昇します。
歯周病のリスクは、禁煙期間が長くなるとともに低くなり、11年間以上の禁煙者では、非喫煙者と同じレベルになることが報告されています。

歯周病と煙草(たばこ)の成分

タバコの煙には、数千もの化学物質が含まれています。
ニコチンや発癌性物質などの有害物質は、200~300種と言われます。

一酸化炭素

タバコの煙に含まれる、一酸化炭素は、歯周組織への酸素供給を妨げます。

喫煙者では歯肉の酸素飽和度が一般に低く低酸素状態となっており、また、歯周ポケットの酸素分圧も低下していることが明らかにされています。

ニコチン

ニコチンは、一種の神経毒で、血管を縮ませるので、体が酸欠・栄養不足状態になります。

ニコチンは体を守る免疫の機能も狂わせますので、病気に対する抵抗力が落ちたりアレルギーが出やすくなります。

更に、傷を治そうと組織を作ってくれる細胞(線維芽細胞といいます)の働きを抑え、骨芽細胞の機能や増殖を低下させるといわれていますので、仮に歯周病の手術をした後も治りにくくなります。

煙草(たばこ)のヤニ

また、「ヤニ」という形で歯の表面に残り、歯にバイ菌が張り付きやすくなり、口の中や歯肉にニコチンが染み出しつづけることになるのです。

さらに、ニコチンをはじめ種々の喫煙に含まれる物質がPGE2やIL‑1、IL‑6やTNF‑αといったサイトカインの産生に影響を及ぼし、歯周組織の破壊と組織修復能の低下を招くともいわれています。

免疫学的な面からは、喫煙者ではヘルパーT細胞数の減少や唾液 IgA や血清 IgG のレベルの低下が示されています。

また、好中球の貪食能・化学走化性の低下や活性酸素産生が抑制されるといわれています。


歯周病と歯並び



歯周病を発症する時の一番の原因はプラーク中の細菌ですが、

そのほかにも、歯周病を誘発する要因として
  • 糖尿病
  • 妊娠
  • 様々な病気による全身的な健康状態の悪化
  • 喫煙などの生活習慣
  • 不正咬合や臼歯部の咬合崩壊に関連する咬合性外傷
  • 口呼吸
  • 歯ぎしりなどの不良習癖

等があげられます。

悪い歯並びが引き起こす歯周病

 

 

歯並びが悪いということは、歯に付着した食べカスや、ばい菌の掃除がしにくいということです。
特に、歯同士が込み合って生えている、【叢生】では、歯が重なりあったところに歯ブラシが届きにくいため、プラークが蓄積しやすく、また咬合性外傷が生じ、傷口から歯周病の原因菌が侵入し、歯肉炎や歯周病を起こします。

叢生(そうせい)とは





歯周病が引き起こす悪い歯並びやかみ合わせ

一方、歯周病は進行すると、本来の噛み合わせに、不具合を引き起こします。

悪いかみ合わせのことを、不正咬合(ふせいこうごう)と呼びます。
不正咬合は、 歯ぐき等に傷を負わせてしまいます。

噛み合わせが悪いことにより、口腔内に傷が出来ることを、咬合性外傷(こうごうせいがいしょう)と呼びます。


咬合性外傷が起きる条件


年齢が若く、身体的なレベルが高い時には、歯槽骨がしっかりと歯を支えてくれるので、 咬合性外傷が生じません。
しかし、年を取り、免疫力が落ちると、歯周病がどんどん進行し、歯槽骨の吸収が始まります。

歯槽骨の吸収(しそうこつのきゅうしゅう)

 すると、歯を支持する歯槽骨の高さが減少した状態となり、若者と同程度の咬合力が加わった時、噛む力に対する抵抗性が弱くなり、咬合性外傷が生じます。


咬合性外傷が起きると


咬合性外傷が出来ることで、炎症が急激に進行したり、垂直的骨吸収を伴う骨縁下ポケットが生じたりして、歯の動揺が著しくなります。

つまり、歯がぐらぐらしてくるわけです。
そして、歯の傾斜、歯列弓形態の異常、垂直的咬合高径の減少、下顎の偏位等が発現してきます。

すると、さらに歯周炎は悪化し、咬合崩壊、つまり、噛み合わせの不具合は、ますます進行していきます。

40歳を過ぎると歯周病のリスクが高まります。
一方、歯並びが悪い状態のままで永久歯咬合が完成され成人に至ると、特に女性では加齢と閉経に伴い骨粗鬆症が進行してくることから、咬合崩壊のリスクも高まってきます。

女性は閉経後にエストロゲン欠乏状態となり、破骨細胞活性の上昇により骨吸収が著しく亢進し、一方で、加齢に伴う骨芽細胞活性の低下により骨形成が減少していくので、低骨量となり、骨組織の微細構造が変化し、骨が脆く骨折しやすくなります。
顎骨、歯槽骨も全身の他の骨と同様の変化をきたします。

歯根膜に存在する細胞は歯槽骨、セメント質、歯根膜をそれぞれ造る細胞に分化すると考えられています。
若年性歯周炎を発症した過蓋咬合ならびに叢生を伴う不正咬合患者の歯周炎の初期治療後に、矯正治療にて頬側転位した歯を歯槽基底骨上に移動させると、初診時には歯根尖にわずかであった歯槽骨の形成が促進され、歯周組織の再生を認めることができました。



過蓋咬合(かがいこうごう)

平均年齢82歳5か月の【8020=80歳で、20本の自分の歯を残す運動の達成者では、臼歯部の咬合関係はAngle I級が多く、すべて正被蓋で、上顎前歯部の叢生も少なく、また、上顎前突傾向が認められたがほぼ良好な標準的顎顔面形態を示し、著しい不正は認められありませんでした。

以上より、歯並びが良いと年をとっても多くの歯を残せる可能性が高まることとなり、運動の口腔の健康は学齢期からʡと考えることが重要です。

妊娠時の歯周病と早産

歯周病と早産

 

歯周病菌が体内に入ると、プロスタグランジンという物質を作ります。
プロスタグランジンは、陣痛促進剤として、使われるものです。
つまり、歯周病によって、早産になったり、未熟児を生んだりすることがあるわけです。

また、歯周病にかかると、 大量のメチルメルカプタンが作られます。
メチルカプタンは、激しい口臭を招きます。
妊娠している、女性の口臭が、【硫黄のにおい】や、【腐った卵のにおい】だったら、要注意です。


妊娠時の口臭

早産

 

早産は、正式には、【低体重児出産】と、呼びます。

赤ちゃんが生まれそうになると、陣痛が起きます。
陣痛は、子宮収縮作用のあるプロスタグランジンという物質の分泌が高まって起きます。

しかも、歯周病で発生した、口腔内のメチルメルカプタンは、粘膜透過性を亢進させるので、プロスタグランジンなどの炎症を起こす物質や色々な毒素を粘膜下組織へ浸透させます。

また、歯周病菌によって炎症が起きると、サイトカインといわれる物質が増加しますが、この物質はプロスタグランジンの分泌を促します。

プロスタグランジンの濃度が上がると、妊婦の身体は出産開始のゴーサインと受け取り、子宮の収縮が起こります。

つまり、まだ、赤ちゃんを産むには早すぎる時でも、お母さんの体は、勘違いしてしまうのです。

プロスタグランジンによる早産のプロセス

 

  1. 歯周病による歯肉の炎症
  2. 歯周病によって、サイトカインが増加する
  3. プロスタグランジンが増加する
  4. 歯周病で発生した、メチルカプタンがプロスタグランジンの母体への侵入を促進する
  5. 勘違いした子宮が出産に向けて収縮する
  6. 早産が起きる
というメカニズムになります。

健康な赤ちゃんを産むために

 

歯周病による、妊婦の早産(低体重児出産)のリスクは、
歯周病にかかっていない健康な妊婦の、5~7倍と言われています。

そして、サイトカイン数値の高い人ほど出産時期が早くなるといわれています。

妊娠中は、つわりのせいでブラッシング十分にできなくて、むし歯や歯周病になる方が多くなります。

また、妊娠中に多く分泌される女性ホルモンは、歯周病菌の増加を促し、歯肉の炎症が起きやすくなります。

妊娠中に歯肉が赤く腫れるなどの症状が出たら注意が必要です。
歯周病予防のオーラルリンス(歯周病用のうがい薬)で、口をゆすぐだけでもかなり効果がありますよ。

パーフェクトぺリオについて

むし歯菌や歯周病菌の殺菌作用を期待した機能水として、次亜塩素酸を主体とする「パーフェクトぺリオ」というものがあります。
パーフェクトぺリオについては、マスコミ等で取り上げられたこともあり、患者さんや一部の歯科医療従事者から注目されたこともありました。

しかしながら、学術的な裏付けに乏しく、その有効性や安全性は確立されていないのが現状です。
臨床で使用するには不適当と判断し、パーフェクトぺリオを使用した治療は行っておりません。

パーフェクトぺリオについては、日本歯周病学会が以下のような見解を示しております。

"「パーフェクトペリオ」(以下PPW)は次亜塩素酸(HClO)を主体とする殺菌作用を期待した機能水の一種である。

PPWについては、2007年頃より、東京医科歯科大学う蝕制御学分野のグループや明海大学歯内療法学分野のグループより、主にう蝕病原細菌や実験的バイオフィルムに対する抗菌効果1-7)、根管内のスミヤー層や細菌の除去効果など8-12)について報告している。

歯周病に関する研究としては、東京医科歯科大学歯周病学分野より2009年に基礎的な研究について学会発表がなされているのみである)。
この報告では、歯周病原細菌であるPorphyromonas gingivalisやAggregatibacter actinomycetemcomitansに高い有効塩素濃度(600pm)のPPWを作用させると殺菌効果があることが示されている。
一方で、ヒト歯肉線維芽細胞(HGF-1)およびヒト単球由来細胞(THP-1)にPPWを作用させたところ、生存細胞数が減少したが、その傷害性は同程度の濃度のクロルヘキシジンや次亜塩素酸ナトリウムと比較しても同じかそれよりも低いものであるとしている。
しかし、これらの研究はいずれも基礎的な研究で、また査読制度のある学術雑誌の論文はわずかであり、ヒト応用に関し安全性と有効性が高いレベルで示されているわけではない。
また、臨床的研究についての報告はこれまでにない。"

"PPWを用いた歯周治療については、最近マスコミ等で取り上げられ、国民から注目されている。
そして、この方法に対する期待が、患者だけでなく一部の歯科医療関係者にもみられるようである。
しかしながら、現在PPWを使用している歯科医師が、PPWの使用に際して必要な倫理的事項(大学や学会などへの倫理申請、患者への説明文書の提示と同意書の取得など)に対して、どのように対処されているのかは不明である。

PPWを販売していたパーフェクトペリオ(株)では、現在、販売を一時中止した上で、PPWの生成装置について「新医療機器」としての申請を準備中とのことである。

同社ではラット等を用いた急性経口毒性試験や皮膚刺激性試験や細菌を用いた変異原性試験などで重篤な問題を生じることがなかったと報告しているが、今後、厚生労働省の「臨床研究に関する倫理指針」に則って臨床研究の実施なども計画しているとのことである。 "

"以上より、現状でのPPWの歯周治療への応用については、研究途上の段階で科学的根拠が十分であるとはいえず、日本歯周病学会としては安全性や有効性について学術的な場で充分な討議が行われた後に、臨床に応用されるべきであると考える。"(2010年5月)

歯周病が引き起こす身体の病気

歯周病は身体全体の健康と、深い関係があります。
口の中の病気だから、全身には関係ないと思ったら大間違いです。
歯周病菌が作る毒素や、炎症を引き起こす物質は、歯周病の病巣から血液中に入り、全身に影響を及ぼす可能性があります。

歯周病が原因で、死に至ることだってあるのですよ。

歯周病が原因で発症する疾病


①血管障害


歯周病菌が動脈壁に到達すると動脈硬化を促進する原因になる。
できた血栓(血の塊)が心臓や脳の血管で詰まると心筋梗塞や脳卒中を引き起こすことがある。

  • 脳血管疾患
  • 動脈硬化
  • 高脂血症

②心臓病


心臓の弁に障害があり、体の免疫システムが低下している人では、心臓に細菌が入り『心内膜炎』を引き起こし心臓発作を起こす危険性が高まる。

  • 冠動脈疾患

③肺炎


食物や唾液とともに飲み込んだ歯周病菌が誤って気管や肺に入り込んでしまうと肺炎を起こす。

  • 誤嚥性肺炎

④糖尿病


歯周病菌が出す毒素がインスリンの働きや血糖値の調節を阻害する。そのため、血糖値が高くなり、糖尿病の改善を妨げると考えられている。また、糖尿病があると歯周病が進行しやすくなる。

  • 糖尿病
  • 肥満
歯周病と糖尿病の怖~い関係

⑤低体重児早産


胎児(赤ちゃん)は、羊水中のプロスタグランジンが一定量になると産まれますが、歯周病菌の毒素もプロスタグランジンをつくるため、母体が勘違いをして、早産を引き起こすことがあります。

妊娠時の歯周病と早産

⑥骨粗鬆症

歯周病と骨粗鬆症

⑦掌蹠膿疱症

妊娠時の歯周病と口臭~メチルメルカプタンのすごさ

妊娠時の口臭~歯周病だと大変なことに


妊娠している女性の口臭が、【硫黄のような臭い】、【腐った卵のような臭い】だったら、要注意です。
その妊婦さんは、多分、歯周病にかかっています。

もっとも、日本人で、大人の4人に3人は歯周病患者と言われるくらいですから、珍しくもないのですが・・・

歯周病にかかると、大量のメチルメルカプタンが作られます。

メチルメルカプタン

 

メチルメルカプタンは揮発性硫黄化合物と呼ばれるもので、【硫黄のような臭い】、【腐った卵のような臭い】がします。

歯周病を原因とする口臭の場合に検出される、揮発性硫黄化合物です。
メチルメルカプタンは、口臭の原因となる、【臭気物質】の中でも、
もっとも微量で、強烈なにおいを放つ【臭気物質】です。
専門用語では、【閾濃度=いきのうど】と呼びます。

揮発性硫黄化合物(きはつせい・いおう・かごうぶつ)

 

揮発性硫黄化合物は、硫黄ガスの総称です。
悪臭を放つ物質として、有名で、しかも、青酸ガスより強力な毒性があります。

揮発性硫黄化合物の詳細