糖尿病患者の70%は歯周病の患者です
歯周病になると糖尿病の症状が悪化します
歯周病を治療すると、糖尿病が改善します
歯周病によってインスリン抵抗性が生じる
歯周病は感染症です。
しかし、風邪やインフルエンザ、肺炎などのように、治療を受け、原因となる細菌やウイルスが消滅すれば完治する感染症とは違います。
歯周病が普通の感染症と違うのは、慢性感染症だということです。
治療を継続していないと、歯周組織に住んでいる細菌の活動を封じ込めることができません。
ときには、歯肉の毛細血管から血液中に細菌が入り込み、菌血症を起こすこともあります。
このような時、ヒトの体は様々なサイトカインを分泌して、細菌やウイルスに対抗しようとします。
それらのサイトカインは、インスリン(血糖値を下げる唯一のホルモン)の働きを阻害して「インスリン抵抗性」という状態を生じさせます。
当然、血糖値はいつもより上昇してきます。
健康な人ならすぐに膵臓からインスリンが分泌されて血糖値が高くなり過ぎることはありませんが、糖尿病の人では血糖コントロールが乱れる大きな原因となります。
慢性感染症である歯周病を放置すると、体は常にインスリン抵抗性の状態になっていると考えられます。
歯周病菌は内毒素をまき散らす
内毒素=細菌の細胞壁に含まれる毒物です。
細菌が死滅しても毒は残ります。エンドトキシンとも呼びます。
歯周病菌は腫れた歯肉から容易に血管内に侵入し全身に回ります。
血管に入った細菌は体の力で死滅しますが、歯周病菌の死骸の持つ内毒素は残り血糖値に悪影響を及ぼします。
血液中の内毒素は、脂肪組織や肝臓からのTNF-αの産生を強力に推し進めます。
TNF-αは、血液中の糖分の取り込みを抑える働きもあるため、血糖値を下げるホルモン(インスリン)の働きを邪魔してしまうのです。
※TNF-αとは、慢性の炎症箇所で作られるたんぱく質です。インスリンの働きを妨げます。
※HbA1c(ヘモグロビンA1c)を検査することで、過去1~2ヶ月の血糖値が分かります。
歯周病の治療による血糖コントロールへの影響
歯周病を合併した糖尿病の患者さんに、抗菌薬を用いた歯周病治療を行ったところ、血液中のTNF-α濃度が低下するだけではなく、血糖値のコントロール状態を示すHbA1c値も改善するという結果が得られています。