歯周病を発症する時の一番の原因はプラーク中の細菌ですが、
そのほかにも、歯周病を誘発する要因として
- 糖尿病
- 妊娠
- 様々な病気による全身的な健康状態の悪化
- 喫煙などの生活習慣
- 不正咬合や臼歯部の咬合崩壊に関連する咬合性外傷
- 口呼吸
- 歯ぎしりなどの不良習癖
等があげられます。
悪い歯並びが引き起こす歯周病
歯並びが悪いということは、歯に付着した食べカスや、ばい菌の掃除がしにくいということです。
特に、歯同士が込み合って生えている、【叢生】では、歯が重なりあったところに歯ブラシが届きにくいため、プラークが蓄積しやすく、また咬合性外傷が生じ、傷口から歯周病の原因菌が侵入し、歯肉炎や歯周病を起こします。
叢生(そうせい)とは
歯周病が引き起こす悪い歯並びやかみ合わせ
一方、歯周病は進行すると、本来の噛み合わせに、不具合を引き起こします。悪いかみ合わせのことを、不正咬合(ふせいこうごう)と呼びます。
不正咬合は、 歯ぐき等に傷を負わせてしまいます。
噛み合わせが悪いことにより、口腔内に傷が出来ることを、咬合性外傷(こうごうせいがいしょう)と呼びます。
咬合性外傷が起きる条件
年齢が若く、身体的なレベルが高い時には、歯槽骨がしっかりと歯を支えてくれるので、 咬合性外傷が生じません。
しかし、年を取り、免疫力が落ちると、歯周病がどんどん進行し、歯槽骨の吸収が始まります。
歯槽骨の吸収(しそうこつのきゅうしゅう)
すると、歯を支持する歯槽骨の高さが減少した状態となり、若者と同程度の咬合力が加わった時、噛む力に対する抵抗性が弱くなり、咬合性外傷が生じます。
咬合性外傷が起きると
咬合性外傷が出来ることで、炎症が急激に進行したり、垂直的骨吸収を伴う骨縁下ポケットが生じたりして、歯の動揺が著しくなります。
つまり、歯がぐらぐらしてくるわけです。
そして、歯の傾斜、歯列弓形態の異常、垂直的咬合高径の減少、下顎の偏位等が発現してきます。
すると、さらに歯周炎は悪化し、咬合崩壊、つまり、噛み合わせの不具合は、ますます進行していきます。
40歳を過ぎると歯周病のリスクが高まります。
一方、歯並びが悪い状態のままで永久歯咬合が完成され成人に至ると、特に女性では加齢と閉経に伴い骨粗鬆症が進行してくることから、咬合崩壊のリスクも高まってきます。
女性は閉経後にエストロゲン欠乏状態となり、破骨細胞活性の上昇により骨吸収が著しく亢進し、一方で、加齢に伴う骨芽細胞活性の低下により骨形成が減少していくので、低骨量となり、骨組織の微細構造が変化し、骨が脆く骨折しやすくなります。
顎骨、歯槽骨も全身の他の骨と同様の変化をきたします。
歯根膜に存在する細胞は歯槽骨、セメント質、歯根膜をそれぞれ造る細胞に分化すると考えられています。
若年性歯周炎を発症した過蓋咬合ならびに叢生を伴う不正咬合患者の歯周炎の初期治療後に、矯正治療にて頬側転位した歯を歯槽基底骨上に移動させると、初診時には歯根尖にわずかであった歯槽骨の形成が促進され、歯周組織の再生を認めることができました。
過蓋咬合(かがいこうごう)
平均年齢82歳5か月の【8020=80歳で、20本の自分の歯を残す運動の達成者では、臼歯部の咬合関係はAngle I級が多く、すべて正被蓋で、上顎前歯部の叢生も少なく、また、上顎前突傾向が認められたがほぼ良好な標準的顎顔面形態を示し、著しい不正は認められありませんでした。
以上より、歯並びが良いと年をとっても多くの歯を残せる可能性が高まることとなり、運動の口腔の健康は学齢期からʡと考えることが重要です。